カジノ・ロワイヤル
- 作者: イアン・フレミング,井上一夫
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/06/27
- メディア: 文庫
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先日、007の新作「カジノ・ロワイヤル」を観てきた。
2作目の「ロシアから愛をこめて」をリバイバルで観て以来、
1作目の「ドクター・ノー」を含めて、
全て劇場で観た事になる。
軽く4半世紀以上経過している訳で、息の長いシリーズだ。
この作品からダニエル・クレイグが、6代目ジェームス・ボンド役を襲名。
シリーズ通して初めての金髪で碧眼のボンドだ。
しかも胸毛も無くてマッチョ(笑)。
新しいボンド役者が決まると、
原作のボンドのイメージに一番近いとか、
過去のボンド役者を否定したり、
原点回帰を謳ったりするのだが、
今回は、完全に過去をリセットしているといえる。
時代考証的に矛盾してしまうのだが、
若きボンドの“00”昇格と最初の任務の物語。
「ドクター・ノー」以前を描いてる事になる。
ここまでリセットしてしまう必要性が本当にあるのだろうか?
と少々疑問に思い、正直戸惑ってしまったものの、
ここ数年で観たボンド映画の中で、最もストーリーに惹き込まれた作品だ。
間違いなく近年一番のボンド映画だろう。
劇中、有名なドライ・マティーニのオリジナル・レシピを
ボンドが説明するシーンがある。
「ゴードン・ジン3、ウォッカ1、
キナ・リルのベルモット1/2を氷の上に注いでシェイクし、
薄く切ったレモンの皮を加える」
この時,
ボンドは意外にも「ステアでもシェイクでも構わない。」と言う。
そして、このオリジナル・カクテルに
「ザ・ヴェスパー・マティーニ」と、
ある女性の名前を付ける。
後年、ボンドがこのカクテルを注文する際には、
「ステアせずに、よくシェイクすること」
とシェイクする事に拘る。
これは、彼女との思い出もシェイクしてしまいたいという思いからだろうか?
ボンドの最初の任務と最愛の女性。
それは、永遠に消えることのない深い傷跡なのだろう。
007カジノ・ロワイヤル(公式サイト)