考えるヒット
- 作者: 近田春夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/05
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
「考えるヒット」というのは、「週刊文春」で連載されている近田春夫氏の
コラムである。
音楽雑誌には、本当の批評が書かれていない訳だが、だからといって
近田氏の、このコラムに真実が書かれているとは断言するつもりもない。
だが、あのテリー伊藤氏に「音楽は戦いながら読むことだと教えてくれた」
と言わしめた、伝説の音楽批評である事は確かだ。
近田氏をANNでのタモリ氏との抗争(?)の頃から知る身としては、氏の
存在そのものに、胡散臭さ(失礼)を感じてしまうのだが・・・
だが、このコラムが楽しみなのは、その音楽を自分がどうして好きになった
のか、私の代わりに近田氏が、考えてくれている事だ。
今週のコラムでは、なんとスッピンと涙。が取り上げられている。
後藤真希の前シングルさよなら「友達にはなりたくないの」(初回)も失恋を
描いたバラッドではあるものの、前作には無い「何か」が今作品にはあり、
そのため私にとって今作品は、過去最高のお気に入りとなった。
しかし、その「何か」を説明できないもどかしさを感じていた。
近田氏のコラムを読んで、胸の痞えがとれた想いがした。
以下気になった箇所を引用。
ピアノにストリングスというシンプルなバックでゆっくりと歌い出す
後藤真希の声はどこか森高千里を想わせる。
かわいらしくもあり、いやらしくもある。アイドルの役目を確信した
「女」の声なのだ。
KANの曲やつんく♂の詞についても、氏には珍しく大絶賛している。
興味のある方は、読んでみてほしい。
そういえば、その近田春夫氏と菊地だ!(笑)氏の対談が行われるらしい。
本当の意味で音楽批評をしている二大巨匠の対談が、どのような内容になる
のか非常に興味深いものがある。